Hope（希望）

世間ではまだまだアルコール依存症は「アル中」という言葉で知られていると思う

「アル中」・・と聞くと、どんなイメージがあるだろうか？

手を震わせながら一日中飲んでいる。
好きで飲んでいる。
飲み方をコントロールしようとしない。
だらしない人間。
最低の人間。

悪いイメージしかありません。
アル中というだけで世間の見る目が違うのです。
アル中、アルコール依存症は病気です。
薬物依存症と同じ、脳の病気なのです。

その病気になるまで、好きで飲んだのだから自業自得。そう言われてしまえばそうかも知れません。でも、そのみんなが普通にしている合法的な飲酒が長期に渡ると、このような病気になり得るということを知って欲しい。

他の病気なら同情され、理解をしてもらえる。
例えば、癌になったからといって、世間から冷たい目で見られることはない。それで会社を解雇されることなどないのである。（アルコール依存症と同じく、死に至る身近な病気ということで癌を例にあげましたが、癌はアルコール依存症よりいい、という意図はありません。どんな病気でも、それぞれに大変なことがあると思います。）

この病気を知らない人に理解をしてと言っても無理なのかも知れません。
でもこのような偏見は、アルコール依存症者、そしてその家族を孤立させ、この病気について口を閉ざせてしまいます。

私の夫はアルコール依存症です。

私はこの事実を、ごく一部の友人にしか打ち明けていない。
ほぼ誰にも話していないわけだから、私は常に、平静をよそおっていなければならない。
「私達の家族は普通に幸せです。何も問題はありません。」と笑っていなければならない。
だから、とても辛い。

この病気と闘ってもう10年近くになる。
今が底辺だとしたら、これから夫は回復していくのだろうか。
いつか笑って、「今はもう回復したけど、実はあの時ね・・・」って、友人達に真実を打ち明けられる時は来るのだろうか。

今が底辺でないとしたら、堕ちるだけ堕ちて、きっと家庭が完全に崩壊するだろう。
そうなったら夫は、やっと専門家に助けを求めてくれるだろうか・・・？
やっと自己流ではなく、ちゃんと治療に専念してくれるだろうか・・・？
そしていつかまた、普通の家族に戻れる日は来るのだろうか・・・？

そんなことを思いながら、今日も私は夫の様子を伺い、再飲酒しないことを願っている。

*** 私のブログを見に来て下さった皆様へ ***

長々と私の愚痴にお付き合い頂きまして、どうもありがとうございました。
この苦しみをどこかで吐き出さずにはいられなくなり、文章に残しました。
回復までの道のりは長く、先が見えず、まだまだ私が言いたい想いは沢山あるのですが、とりあえず一旦ここで締めます。
気が向いたらまた想いを綴っていきます。
私の家族に、そしてアルコール依存症で苦しんでいる世の全ての家族の方々に、早く「普通の幸せ」が訪れますように。
どうもありがとうございました。