料理のアルコール
私はアルコールを飲まないと言いながらも、料理では普通にお酒を使う。
料理で使う酒やワインが、いくら加熱でアルコールが飛んでいるからと言っても、アルコール依存症の夫にとって、これらの料理を口にすることは大丈夫なのだろうか?
オーブンで約2時間半煮込んだ、赤ワインを使ったポットロースト、気のせいであって欲しいのだが、意識して食べてみると、脳で微かにアルコールのクラクラ感を感じてしまった。(そのように思い込んでしまっただけなのかも知れないが。) それを食べながら、夫がアルコールに気付いてしまうのではないかと、恐る恐る夫の様子を伺ってみる。
少量のアルコールにも敏感に反応してしまう私ではあるが、こんなアルコールが飛んだ料理に、夫は反応するだろうか?再飲酒のキッカケになったりすることがあるだろうか?
こんな小さなことを気にしてしまう私は、思えば、娘を妊娠中の時は、料理にお酒を使うことは一切なかった。どんなに物足りない味でも、お酒だけは絶対に体内に取り入れたくなかった。
妊娠中に、一度誤ってラム酒入りのケーキを食べてしまったことがあるのだが、その時は酷く動揺した。
妊娠中にアルコールを摂取すると、アルコールがへその緒から赤ちゃんへと伝わり、赤ちゃんがFetal Alcohol Syndrome(胎児性アルコール症候群)で産まれて来ることがある。この病気についてここに具体的なことを書くつもりはないが、アルコールでも薬物でも、妊娠中のお母さんのそんな犠牲になってしまうのは、いつも何の罪もない赤ちゃんなのである。
話は戻るが、料理で使うお酒やワイン、私はそれらを、夫から見えないところに隠し持っている。
夫は、いくらアルコール依存症だと言えど、消毒用のアルコールや、マウスウォッシュを飲んだことはない。重度のアルコール依存症者はそんなことを平気でするらしいのだが、幸い夫には、飲んでいいアルコールと飲んではいけないアルコールの区別はついているようだ。
だから、料理で使うアルコールは、絶対に夫の目に触れさせてはいけない。
そんな小さな気遣いをして、夫の再飲酒のキッカケを少しでも減らすよう、私も日々気を付けている。
夫が断酒を始めてから、2ヶ月が経ちました。