パニック発作
夫の精神疾患については、別に医師から正式にそう診断されたわけではなく、これはあくまでも私の推測である。双極性障害については実際のところどうなのかは分からないが、でも夫にAnxiety(不安障害)があることは確かである。
最近夫はAnxietyの薬をかかりつけ医から処方してもらっているのだが、実際に精神科にかかってくれれば、もっと夫の病状がハッキリするかも知れない。今のかかりつけ医も、何年も医師の診察を拒んだ末にやっと見てもらい始めた医師なので、精神科へ行くことも、そう簡単なことではないと思っている。(そこまで医師を拒絶するパワーを、もっと他の所に向けて欲しいものだが。)
ハッキリと夫の異常を確信したのは、夫の断酒が続いている時に、ある日突然、いつも目撃する離脱症状時の症状と同じことが夫の身に起きた時だった。
離脱症状など起こるはずもない時に、夫は突然呼吸困難で苦しみだし、全身を激しく震わせた。荒く息を吐き、私に助けを求めた。
「えっ・・・これって、離脱症状・・・!?・・・じゃないよね!?何で今それが起こってるの!?」
突然それを目の当たりにして、私は怖くなった。
この数年間の、あのアルコールの離脱症状だと思っていたものは、何か違う病気だったの!?
それを、私はずっと無視してきたの!?
過去にずっと離脱症状だと思い、再飲酒した罰を受けて当然だと、夫が悶え苦しむ姿を無視してきた私は、今までずっと、実はパニック発作が起こっていたということが分からず、それを夫の再飲酒のせいにして夫に苛立ち、放置していたのだ。
私は何て酷い人間なのだろう。
私は夫に申し訳ないことをしたという気持ちでいっぱいになり、今までずっと勘違いをしていた自分の愚かさに戸惑い、呆然とした。
離脱症状を放置することも酷いとは思うが、パニック発作を放置していたことは、それ以上に人として最低なことをしていたと思う。
でもきっと、あの時はあれが私にできる、精一杯のことだったのだ。
夫は専門家に診てもらっていないし、離脱症状が起こると思われる時に、同時にパニック発作が起こっていても、素人の私に、それを判断することなどできなかったのだ。
あれはパニック発作だった。
アルコールで押さえていたストレスが、アルコールが切れて露出し、その度にパニックになっていたということだろうか?
夫は未だにあの症状が何だったのか分からないというが、普通の離脱症状ではなかったということだけは確かなようだ。