普通であることがどんなに幸せなことなのか、普通の人にはきっと分からないだろう。
普通であるが故にその幸せに気付かず、普通でなく優れているからこそいいのだと、そういう価値観の中にいることが苦しくなってきた。
私にとっての幸せとは、普通で何気ない平和な日常。
それはアルコール依存症に限らず、心や身体の健康を損なった人達、または今まで当たり前のようにあった物質的なものを失った人達なら、きっと誰もがこの気持ちを分かってくれるだろう。
失って初めて気付いた普通の幸せ。
そんな当たり前だった幸せが、徐々に、緩やかに、何処かへ消えてしまった。